看取るということ【介護】

こんにちは。ライコです。

今回は ”お看取り” について記事にしたいと思います。

僕の職業である介護業界では、一般企業などと比べれば人の「死」というものがとても身近です。昨今介護施設では、施設内でのお看取り対応を行っているところがほとんどです。これは、ご利用者様のご家族様のニーズでもあり、当然なことなのかも知れません。

先日、僕が勤める施設でもお看取り対応をさせて頂きました。

この記事を書いた人

< プロフィール >

  • 43歳 介護士
  • 元いじめられっ子
  • 夢は介護タクシー開業。現在準備中。
  • いじめられっ子ならではの処世術を発信
  • 現役介護士から見た介護の世界を発信
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目次

看取るということ【介護職員視点】

介護職員として「お看取り」をする度に感じることがあります。

それは、お看取り対応になる前にもっと何か出来なかったのかという後悔にも似た感情です。

「お看取り」は、ドクターからご家族様へIC(インフォームドコンセント)が行われ、「このまま施設で・・・」とご家族様の御意向が決まった時から ”終末期” のフェーズに入ります。

今まで以上に ”今” という時間が貴重になり、そのご利用者様が見せる笑顔や仕草に複雑な気持ちを介護職員は感じるものです。

残された時間を少しでもご家族様と過ごして頂きたい、と願う一方、介護士として「今できる事はないか」と焦燥感にも似た感情を抱くのです。

僕は「お看取り対応」となって初めて出来ることがあると考えています。

例えば、そのご利用者様の体力面から入浴において湯船に浸かることは難しい、とされているご利用者様がいたとします。そのご利用者様はお風呂が大好きであったとしても、湯船に浸かることは出来ないのです。しかし、お看取り対応となったことで初めて湯船に浸かることが出来るのです。もちろん、その時の体調や体力面を考慮しご家族様へも確認をとります。その上で、そのご利用者様が大好きであったお風呂を望む形で提供出来るのです。

お酒にしてもそうです。お酒の好きなご利用者様は、大抵既往歴により飲酒が禁止されています。しかしお看取り対応となってからは、大好きなお酒を提供出来るのです。ノンアルコールビールではなく ”本物” のビールをです。実際の飲酒は嚥下機能的にも困難である場合であったとしても、匂いと共に唇や口腔内に ”舐める程度” の提供は出来ます。

しかし ”終末期” ともなると、嚥下機能の低下により絶飲食となってしまうケースが殆どです。お看取り対応となっているということは、ご家族様は延命治療を望まれていないということです。病院では点滴は勿論、胃に直接栄養を送り込む「胃瘻(いろう)」などによって水分と栄養の確保を行います。

胃瘻造設

「胃瘻」はご家族様の許可や希望が必須であり勝手に造設するものではありません。病院側も積極的に勧めているわけではないようで、「胃瘻」造設はご家族様の意思であることが殆どようです。

絶飲食となってしまうと残された時間は本当に僅かです。経験上、長くても48時間以内にご逝去されることが多いです。

その間介護職員は、付き添われているご家族様へ普段の様子であったり、その方にまつわるエピソードなどをお伝えし、ご家族様が「見られない時間」を埋めようと努めます。

その時に冒頭でも記したように、お看取り対応となる前にもっと何か出来なかったのかと後悔にも似た感情を抱きます。

ましてや、この記事を記している現在はコロナ禍により外出は勿論大々的なイベントが行えない時です。この約1年間トピックというものが殆どありません。ご家族様の面会も制限により提供出来ていない年です。より虚無感のような後悔に似た感情を感じます。

だからこそ、介護施設で働く介護職員として感じることがあります。

介護職員として大切なこと

お看取り対応だから普段できなかったことを提供する。

そのような場面も勿論ありますが、介護士として大切なことは、入所された元気な内に出来得る限りのサービスを提供する、ということだと思います。

当たり前のことなのかも知れません。しかし普段からそのような思いでサービスを提供している職員は殆どいないでしょう。

当然かも知れません。普段からその入居者様の「残された時間」というものを意識していないからです。

私の職場は特別養護老人ホームです。私を含め、働いている介護士はその定義は理解しているものの、それを常に ”実感” しながら働いている職員は稀でしょう。

僕は介護は「一期一会」であると考えています。

今日という一日、1分1秒に至るまで「その瞬間」に重きを置くべきであると考えています。

介護施設ではやはり認知症の方が多いです。認知症にも複数の症状があり、重複しているケースもあります。だから短期記憶が困難な方が多いです。

・トイレに行って帰ってきた瞬間に「トイレに行きたい」

・食事を摂り、その食事も多すぎて残されてしまったにも関わらず、部屋に戻られた瞬間に「腹が減った」「メシを食べていない」

・入浴日にお声かけすると「昨日入ったからいい」「今日初めて入ったよ」

介護施設では良くある光景ですよね。

だからこそ、「入浴できた」「食事は全量摂取した」という結果だけでなくどう入浴されたのか、どう食事を摂られたのかが大切であると考えます。

施設では集団処遇なことが多いので、入浴日や入浴時間、食事時間などが決められています。そうすることで1日の生活リズムも提供しているからです。

その限られた時間内でどう入浴され、どう食事を摂られたか。

同じ時間内でも「寒い寒い」と満足感なく ”入浴した” のか。「あ〜今日の湯は気持ち良かった〜」と同じ時間内であるにも関わらず満足を感じられ ”入浴した” のか。

同じ入浴なら勿論後者が良いでしょう。

しかし入浴の1時間後には「お風呂なんて入ったっけ?」と忘れてしまうかも知れない。だからこそ「一期一会」を大切にしなければならないのです。

「今」という時間

お看取りで今までの生活の様子を回想する時、必ず「もっともっと」と後悔するはずです。

であれば、入所された瞬間から一期一会を大切にし、介護施設として介護職員として、そのご利用者様が出来ることを出来る内に行うべきでしょう。

何を今更、とご指摘されるかも知れませんが、毎日の忙しさに忙殺されている介護士は多いことでしょう。ましてや介護は「感情労働」です。気持ちにゆとりがなくなってしまうこともあるかも知れません。

しかし僕は「介護」という仕事を選びました。

その自らが選んだ仕事に、自分自身が肯定し承認できないようであれば、尚更「何のためにこの仕事をしているのか」と虚無感を感じてしまいます。

自分自身にも恥じない為にも一期一会を大切にし、入所された時から「お看取り対応」として向き合うべきではないでしょうか。


ライコ
夢見る介護士
43歳 介護士|介護現場は20年以上|元いじめられっ子 | 課のリーダーとしてリーダーシップとマネジメントを実践|職員満足度80%を達成|お絵描き大好き|イジメ嫌い|夢は介護タクシー開業(現在準備中)|
いじめられっ子ならではの処世術を発信。
介護現場から見えてきたお悩み解決記事を発信中。

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ライコブログ : 運営者

ライコのアバター ライコ 43歳介護士

43歳現役介護福祉士から見たカイゴの世界を発信。元いじめられっ子。
いじめを受けていた経験から独自の処世術を見出し、「誰でも出来る」コミュニケーションを用いて人材育成に活かす。
夢は介護タクシー開業!現在は事業計画及び開業準備中。

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