【認知症】認知症の症状や種類、物忘れとの違い

ライコ

今回は「認知症」についてざっくりと解説していきます!

目次

認知症とは何?

後天的な脳の器質的障害により、一旦正常に発達した知能が低下した状態である。
単に老化に伴って物覚えが悪くなる、といった誰にでも起きる現象は含まず、病的に能力が低下するもののみを指す。
※wikipediaより

物忘れとの違いは?

加齢による物忘れ
・物忘れを自覚している
・体験したことの一部を忘れる
・ヒントがあれば思い出す
・日常生活に支障はない
・判断力は低下しない

ライコ

加齢による物忘れとは、「うっかり時間を忘れてしまう」「印鑑をどこにしまったか忘れて探している」などであり、これは認知症の症状ではありません。

認知症による物忘れ
・物忘れの自覚がない
・体験したこと自体を忘れる
・ヒントがあっても思い出せない
・日常生活に支障がある
・判断力が低下する

ライコ

認知症による物忘れとは「約束したことを覚えていない」「印鑑をしまったことを忘れる」といった、”物事自体”を覚えていられないことです。

引用元 : 認知症ねっと

これだけは知っておきたい認知症

知っておきたい認知症の4つのタイプ

・アルツハイマー型認知症
・レビー小体型認知症
・前頭側頭型認知症(ピック病)
・血管性認知症

アルツハイマー型認知症

脳にアミロイドβというたんぱく質がたまり正常な神経細胞が壊れ、脳萎縮が起こることが原因と言われています。

初期(期間2年〜6年)
記憶することが難しくなるため、「忘れていること自体を忘れる」ようになります。食べた夕食の内容を忘れているのではなく、夕食を食べたこと自体を覚えていないといった症状が見られます。
中期(期間2年〜3年)
段々と現在と過去の区別がつかなくなります。近い時期の記憶からなくなっていき、過去の記憶は比較的残りやすいです。結果としておこる症状として代表的なものが徘徊症状です。
・過去の記憶通り朝に出社しようと家を出て、もともとの目的を忘れてしまい外で混乱してしまう。
・尿意や便意が分からず、失禁が目立ちます。
後期
・脳萎縮がさらに進行して、言葉の数も意味も失われていき、やがては話が通じなくなります。
・食事に集中できないため介助が必要になり、歩行が緩慢となり姿勢が前倒したり、左右どちらかに傾いていたりします。
・やがて寝たきりになり、上下肢の関節が拘縮、嚥下障害も出て栄養不良と誤嚥性肺炎が起こりやすくなります。

レビー小体型認知症

レビー小体型認知症は、レビー小体というたんぱく質が脳にたまることで起こる脳の萎縮が原因だと言われています。

・体の動きが緩慢になるパーキンソン病に似た症状で、歩行障害や体の硬さをともなうため、転倒しやすくなります。
・幻視として、色がついた鮮明な人・動物・虫などが昼夜問わず出現したり、映像に加えて幻聴も発生したりします。睡眠時に夢にあわせて踊ったり、手足を動かしたり、歩いたりといった症状もあります。
・認知機能障害も変動しやすく、良いときは話が通じるが、悪くなると話も周りのこともわからなくなります。気分や態度、行動がころころ変わります。

前頭側頭型認知症(ピック病)

多くは初老期に発症します。原因はわかっていませんが、今のところ、ピック球という異常構造物が神経細胞にたまる場合と、TDP-43というたんぱくがたまる場合が発見されています。そのため一つの病気というよりも、いくつかの病気に分かれていると考えられています。10年以上かけてゆっくり進行することが多いです。

・人格や性格が極端に変わる、清潔保持・衛生面が管理できない、柔軟な思考ができない、反社会的な行動が増えるなど性格の変化が見られます。
・毎日同じ時間に同じコースを同じパターンで、天候に関わらず繰り返し歩くなど、決まった時間に同じ行動を繰り返さないと不機嫌になるようになります。
・「車が通る」という言葉をその場に関係なく言い続けるなど、状況と関係ない言葉が繰り返し出てきます。
・「電話」の事を質問してもわからないが、その「電話」を見て何をするものかはわかるなど、物の名前が意味する事がわからなくなります。また、言葉がだんだん出なくなるなども見られるようになります。

血管性認知症

脳梗塞や脳出血など、脳の血管障害によって起こる認知症のことです。

脳の血管が詰まっている梗塞巣が増えたり大きくなったりするごとに、徐々に脳の機能が低下することで認知症や運動障害が引き起こされます。

初期
・意欲低下や自発性低下、夜間の不眠や不穏が目立ちます。どれも症状の変動が激しいことが多いです。また影響を受ける脳の部位が限られており、できることとできないことがはっきりしていることが特徴です。
・非常に小さな脳梗塞や脳出血が起こった場合には、自覚症状がなかったり、感じてもふらつきやめまい程度であまり気がつかないことがあります。
中期以降の症状
・脳血管性認知症は脳血管疾患が原因なので、発作が起こる度に症状が段階的に重くなります。
・ダメージを受けた脳の部位によって出る認知症の症状が異なるため、判断力は保たれているといいます。

引用元 : 認知症ねっと

ざっくりとした4つの認知症の特徴

・アルツハイマー型認知症
その場の取り繕う。いつも明るく陽気。

・レビー小体型認知症
いつも眠たい。夢うつつ。体が硬い。

・前頭側頭型認知症(ピック病)
わが道を行く。急に怒り出す。

・血管性認知症
症状が変わらない。猪突猛進で抑制が利かない。

特に注目したい認知症のポイント

ライコ

上記の4つの認知症の中でも「特に注目したい」認知症のポイントをさらにまとめました。

アルツハイマー型認知症のポイント

一番多くて知名度も高いアルツハイマー型認知症です。

みなさんも何処かで耳にしたことがあるのではないでしょうか。

アルツハイマー型認知症は、表現は悪いですが「ボケた明るいおばあちゃん」というイメージです。

ボケているが憎めないところがあり、施設などでは「愛される存在」になる場合も多いです。

ただし治療に対しての改善率は一番悪いとされています。

主なポイント
・言い訳(屁理屈)が多い
・普段から明るいことが多い
・補講など身体機能に問題がないことが多い

レビー小体型認知症のポイント

レビー小体型認知症は薬剤に関してとても過敏であると言われています。

漫然と投薬されると症状が悪化することもあるようです。

しかし、適切な対応を行えば改善が期待できる疾患でもあります。

主なポイント
・いつも眠たい、夢うつつ(反応が悪い)、身体が硬い小声である
・覚醒していればお辞儀などされ、眠っていれば反応なし。その時々で反応が変化する
・ウトウトしており視線が合わない
・身体が硬いので歩行が拙いことが多い
・椅子に座っている際、身体が傾くことが多い
・薬剤過敏症なので、風邪薬などで熟睡してしまうなど薬が効きすぎる

前頭側頭葉型認知症(ピック病)のポイント

前頭側頭葉型認知症は、大脳の前方に位置する前頭葉や側頭葉の前方に萎縮が見られることで起こる認知症 です。

脳の神経細胞に「Pick球」と呼ばれる球状物が見られるものをピック病と呼び、前頭側頭型認知症のうち約7~8割がピック病と診断されているようです。

特徴として、ゴミ屋敷や万引き、窃盗などの反社会的行動をとることが多いと言われています。

その為、警察沙汰になることがしばしば見受けられ、家族も疲弊してしまい、その対応に苦慮するケースが多いと言われています。

上記の理由から、患者の人権を守るためにも前頭側頭葉型認知症(ピック病)の診断をしなければならないのです。

認知症は併存している!?

高齢者の認知症は併存している!?

実は80歳以上は、上記にあげた様々な認知症が混在しているといわれています。

以前、ある認知症のドクターの講義にて以下の3つのポイントを挙げられていました。

・純粋なアルツハイマー型認知症は75歳くらいまでと考えるのが無難
・80歳以上で認知症の症状が出てきた場合には、脳血管障害、レビー小体型認知症などが混在すると考えるべき
・超高齢者(90歳以上)には中核薬(※1)の安易な使用は控えるべき。医師によっては、一部の薬は心停止を来す恐れがあり使用は推奨されないものもある。

※1 中核薬とは・・・

記憶障害や見当識障害、失語・失認や判断力の障害などを中核症状と言い、その治療薬を指す。

ライコ

高齢になればなるほど症状はレビー化、ピック化していきます。
超高齢者では、記憶障害を主とするアルツハイマー症状は徐々に目立たなくなり、レビーやピックの症状が目立ってきます。

【認知症】介護テクニック紹介

ライコ

SNSに紹介されていた認知症介護のテクニックをご紹介したいと思います!

認知症介護 テクニック①

「その場しのぎ介護」っていうやつで「怒り出して人の話聞けなくなった認知症のじいちゃんの前でいきなり万歳三唱する」というテクニック紹介してたのを見たことがある。本人最初は驚くけど三回目にはつられて一緒に万歳してて前のことは忘れる

僕は「その場しのぎ介護」というものは知りませんでしたが、このようなテクニックは介護現場でも介護職員同士「こうしたら上手くいったよ」など情報交換を頻繁に行なっています。

しかしあくまで「その人にとって」ということであり「定型化」はされていません。

その認知症の方が、「万歳三唱」をすることにこだわりや意味のあることということが大切であると思われます。

認知症介護 テクニック②

https://twitter.com/MIHONEY2010/status/1227915563197841409

夕方になると、そろそろ帰らなくちゃとソワソワし始める認知症の祖母に、毎回「今日は泊まっていけば?」と言ってひきとめていました

現場では「夕暮れ症候群」と呼んでいます。

特に入所施設では、夕方になると認知症の方がそれぞれ「ではそろそろ・・・」と一斉に帰宅願望が聞かれ始めるといったことがあります。

介護現場では「今日は夕食も用意しておりますし、ゆっくりしていってください」など頻繁にお声かけをしていました。

しかし、大抵の認知症の方は

「ええ!?泊まりなの!? 聞いてないわよ!」

「家の戸締まりの確認もしていないし、私の財布やカバンが見つからない」

と、さらに不安定な精神状態になられてしまうことが多かったですね。

夕暮れ症候群とは、認知症性高齢者において 午後から日没頃になると徘徊・興奮・攻撃・叫 び声・介護に抵抗などの不穏な行動や、壁など をとんとんたたく、シーツをつかむ、身体を引 っかくなどの奇妙な行動が見られる状態である。

※引用元

認知症介護 テクニック③

認知症が重い男性をワーカーさんが部屋に戻そうと苦労していたので、「園田さん、お久しぶりです。お元気でしたか」と大きな声で近づいて、「お部屋を見せてくださいよ」と丸めこんで部屋に一緒に移動したのでした

ライコ

これはこのツイートをされた方のファインプレーですね!

介護職員にとってはとても助かる一場面です。

介護の場面ではどうしても「説得」をしてしまいがちですが、大抵は「説得」の効果はあまりありません。

このツイートのように、自ら行動を変えてくれるような「動機付け」をする対応が望ましいのです。

僕が行なった一例では、内線電話を使用しご家族様を装い「今日は泊まっていってほしい」など伝えたことがあります。

結果的には、そのご利用者様も納得をし家族とも話せたことから心から安堵されるという場面が多々ありました。

自ら行動を変える「動機付け」は最も難しいですよね。

まとめ

この記事に記したように、「認知症」といっても十把一絡げに考えられるものではありません。

併存している認知症の症状に加え、その方の本来の性格・性質、それまでの「生き様」が加味されることをもちろん考えなければなりません。

Twitterにもあるように、「その場しのぎ介護」に現場の介護士によっても肯定 / 否定と意見が別れます。

大切なのは、認知症があってもなくてもその人の目線に立ち、いかに寄り添うことができるか。

そこには介護の「プロ」も「素人」もなく、「あなた」しかできない介護なのかも知れませんね。


ライコ
夢見る介護士
43歳 介護士|介護現場は20年以上|元いじめられっ子 | 課のリーダーとしてリーダーシップとマネジメントを実践|職員満足度80%を達成|お絵描き大好き|イジメ嫌い|夢は介護タクシー開業(現在準備中)|
いじめられっ子ならではの処世術を発信。
介護現場から見えてきたお悩み解決記事を発信中。

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ライコブログ : 運営者

ライコのアバター ライコ 43歳介護士

43歳現役介護福祉士から見たカイゴの世界を発信。元いじめられっ子。
いじめを受けていた経験から独自の処世術を見出し、「誰でも出来る」コミュニケーションを用いて人材育成に活かす。
夢は介護タクシー開業!現在は事業計画及び開業準備中。

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