親の状態が悪くなってきたからそろそろ介護について考えないといけないな・・・。
だけど、うちには子どもいるし介護にかけられるお金がないよ😢
このように、親が高齢となり介護について考えなければならないとき、避けて通れない現実問題として「お金」の不安がありますよね。
この記事を読んで欲しい人
・親の介護にかけられるお金がない
・親にお金がない
・介護にどれくらいのお金がかかるの?
・これ以上介護に出費できない
・介護に関わる費用を捻出したい
親の介護でお金ない
まずは、親の介護のために利用できる制度を確認しておきましょう。
僕のツイートにもあるように、一般的なところでは以下の5点が挙げられます。
利用できる制度一覧
・介護保険制度
要介護あるいは要支援認定を受けることで、1割から3割の自己負担額で介護保険サービスを受けられる制度です。自己負担の割合は所得によって違いますが、本人の所得を基準とするため約9割の人が1割負担となります。
介護サービスの内容は、訪問介護や通所介護などの居宅サービス、特養や老健といった老人福祉施設に入居する施設サービス、介護ベッドや車椅子、つえなど福祉用具の貸与、バリアフリーへの住宅改修費などがあります。介護度やサービス内容により上限額が決まっていて、上限を超える分は10割が自己負担となります。
なお、おむつ等の消耗品や、保険対象外の福祉用具については、介護保険制度は使えません。
・高額介護サービス費制度
一ヶ月に支払った利用者負担額の合計が限度額を超えた場合、申請により超過分が払い戻される制度です。一般的な所得の人の負担限度額は、月額4万4000円です。所得が高くなると、負担上限額が大きくなります。
また、保険外の負担額については、利用することができません。
・高額介護合算療養制度
介護費と医療費の合計自己負担額が基準額を超えた場合、超過分が払い戻されます。75歳以上の後期高齢者医療保険対象者は、それ以外の世代よりも基準額が低く設定されています。
一般的な所得の後期高齢者の負担限度額は、年額56万円です。
・介護休業制度
要介護状態の家族を介護するために会社を休むとき、対象家族1人に月3回まで、通算93日まで休業できる制度です。休業中は、賃金の67%の介護休業給付金が支給されます。
利用するには対象家族や雇用状態の要件をクリアする必要があります。
・介護休暇制度
要介護状態の家族を介護するために会社を休むとき、対象家族1人につき年5日まで、1日または時間単位で休暇を取得できる制度です。ただし、有給か無給かは、会社の規定によります。
利用するには対象家族や雇用状態の要件をクリアする必要があります。
お金がない時に注目すべき制度は?
・高額介護合算療養制度
・高額介護サービス費制度
改めてこの2つの制度を見てみましょう!
高額介護合算療養制度
1年間にかかった医療保険と介護保険の自己負担額を合計し、基準額を超えた場合に、その超えた金額が支給される制度です。
つまり、老人ホームや介護施設に入居している要介護者が、介護保険を使って介護サービスを利用したり、保険(国民健康保険など)で医療機関にかかったりした場合、その合算額に上限額(基準額)があり、基準額を超えた金額は、請求することにより返還されるという制度です。
基準額の金額は、要介護者の年齢と収入(年金か現役所得者か)によって細かく設定されていますが
70歳未満
34万円、60万円、67万円、141万円、212万円という基準額が設定。
70歳以上
19万円、31万円、56万円、67万円、141万円、212万円という基準額が設定。
となっています。
高額介護サービス費制度
介護サービスを利用して支払った1割の負担額が、1ヶ月合計で一定額を超えた場合、その超えた分が申請を出すと戻ってくる制度です。
※介護サービスの負担割合は、その方の収入に応じて1割~3割に変動します。
・特別養護老人ホームでの医療費控除
介護サービスを利用するためにかかる費用の1割負担と、食費・生活消耗品などの自己負担で支払った費用の一部が、所得税の医療費控除に適用されます。
老人ホームに入居しているご家族のために支払った費用の領収書は、捨てないで残しておきましょう。
介護にかかる金額は?
そもそも、介護費用はどのくらい必要なの?
そして、介護の期間はどのくらいかかるの?
介護費用と介護期間
介護保険サービスは、介護保険料を払っていれば所得が多い人を除いて1割負担になります。
「1割ならそれほど負担は大きくないな」と思いがちですが、実はそうでもないようです。
公益財団法人生命保険文化センターが公表している資料によると、手すりをつけたり介護用のベッドを借りたりするための一時的な費用の平均は69万円です。
そして、介護が始まってから毎月必要な施設利用料などは、平均で78,000円です。
一方で、介護に要する期間については、4年~10年の例が28.3%と最も多く、平均で4年7ヵ月です。
期間の平均値を例として、トータルで生じる介護費用を計算してみると・・・
690,000円+78,000円×54.5月=4,941,000円
介護保険利用により自己負担が一部であっても、かなり大きな額の負担になることがわかります。
お金の負担を軽くするには?
親の介護は親のお金で
親の介護は親のお金で工面することを第一に考えるとよい、とされています。
介護現場にいると、さまざまな家族とそれを取り巻く人間関係が垣間見えます。
そして、やはりお金に関するトラブルがとても多いのが現状です。
大切な考え方です。
介護によって自らの生活を苦しめてはいけません。
介護に関わる費用を捻出したい
実際に介護を始めてみればお金が足りないことが現実になることがあります。
親の介護費用が払えない場合の対処方法として以下の方法が挙げられます。
・専門家に相談する
・世帯を分離する
・介護保険の減免制度を確認する
・生活保護を申請する
・不動産を活用して現金を手にする
利用できるものはないか
活用できる制度はないかを検討しましょう
専門家に相談する
介護費用を支払うことが難しいと感じたら、まずは地域包括支援センターのケアマネジャーなどの専門家に相談しましょう。
その際、具体的にいくら負担できるかを明確にしてプラン作成を依頼するとケアマネージャーはプランをたてやすくなります。おむつ代や食費など細かな出費も忘れずに計画にいれることが大切です。
利用できる制度を確認する
福祉や保健医療の制度として支払った費用が一定の基準を超えた場合には、低所得者に超えた部分が返金されたり、費用の上限を設けたりすることがあります。
先に紹介しましたが、これらの制度は利用者からの申請が必要です。忘れずに申請を行ないましょう。
世帯を分離する
世帯分離とは、同居している家族であっても、同じ住所にいながら、住民票上の世帯を分けることをいいます。
介護サービスの自己負担には“本人の”所得によるもの、“世帯の”所得によるものと、2つの規定の仕方があります。
世帯分離をして親を別世帯にすることで、親の所得や資産の額によっては負担する金額が減額されることがあります。
ただし、世帯分離をすることで国民健康保険の保険料が高くなったり、行政手続きをするには本人からの委任状が必要になったりするデメリットもあります。
親が住民税非課税世帯に該当するか確認する
世帯に所属している全員が住民税を免除される住民税非課税世帯であれば医療費や介護費、介護保険料が大幅に減額されます。
住民税が非課税になるかどうかは、前年度の所得合計が、各自治体が定める金額を下回るかどうかで決まります。
また、母親が夫と死別して再婚していない場合に、合計所得金額が500万円以下であれば寡婦にあたり、住民税が非課税になります。
寡婦に該当する場合は毎年日本年金機構から送られてくる扶養親族等申告書の寡婦欄にチェックをします。
介護保険の減免制度を活用する
生活に困窮している場合に、介護保険料が減額される制度があります。
世帯全員が市民税の非課税世帯で世帯の年間収入が少ない場合、災害等の被害を受けた場合、収入が著しく減少または減少する見込みがある場合などには、申請をすることで介護保険料が減額されることがあります。
生活保護を申請する
現金や預貯金がなくて、年金が少なく日常的に生活に困窮するような場合には生活保護の申請も検討しましょう。
生活保護を受給すると医療費や介護保険にかかる自己負担額が保護費として支払われます。
不動産を活用して現金を手にする
親が不動産を所有していれば、それを活用して現金を手にすることを検討しましょう。
介護現場でも、不動産について、本人や親族とのトラブルになりやすいです。
不動産の活用についても検討しておくと良いでしょう。
制度を有効活用しよう
国の保障制度はかなり細かい部分まで充実しています。
正しい知識さえあれば「不安」は解消されます。
知らずに損をするより、知ってよりよい介護サービスを利用しましょう!